英語とスペイン語 2015 5 4

「変貌するアメリカ」
 私は、大学で、
第二の外国語としてスペイン語を学びました。
 学部の授業のほかに、
教養として第二の外国語を習得するのです。
 友人たちからは、ドイツ語やフランス語に比べると、
「スペイン語は簡単で、習得しやすい」と言われていたのですが、
実は、スペイン語の授業は、大変なことになりました。
 スペイン語の先生は、スペインから赴任したばかりで、
日本語に関しては、全く知らないと言うのです。
英語ならば、このように知っていると説明するのです。
 私は、「さあ、大変なことになったぞ」と思いました。
案の定、誰かが授業中にトイレに行きたくなりました。
しかし、スペイン語の先生は、日本語を全く知らないのです。
 結局、英語で、先生に「トイレに行きたい」と説明して、
なんとか、窮地を切り抜けたのです。
 ただし、そうは言っても、英語ができるといっても、
大学受験用の英語ばかり勉強していたので、
(日本では、当時、大学受験用の英語は、英米文学の古典が多かった)、
先生には、「日本の学生たちは、妙に古い英語を使う」と思ったでしょう。
 こうして、私たち学生は、
スペイン語の先生からスペイン語だけでなく、
「現代英語」も学ぶことになったのです。
 先生は、相変わらず、日本語を覚えようとしないで、
スペイン語と英語を使っていました。
 日本語は、世界で最も難関の言語と言われていて、
漢字、ひらがな、カタカナを上手に駆使するのは、
外国人にとっては、非常に難しいものがあります。
 アメリカのハドソン研究所の日高義樹氏によると、
アメリカでは、ヒスパニック系の人口が、
最大の勢力になるという。
 ヒスパニックとは、中南米系の人たちです。
ヒスパニック系のアメリカ人は、
この50年間で、10倍近く増えて、
アメリカ最大の「民族」になったというのです。
このようにアメリカの人口分布が激変しています。
 ヒスパニック系は、政治的には保守的で、
カトリックの信者が多く、
よく働いて貯金をする。
その上、家族を大事にすると言われています。
 こうした傾向からすると、
ヒスパニック系は、共和党に近いと思います。
 アメリカ最大勢力になりつつあるヒスパニック系が、
大統領選挙を左右する。
いや、やがてヒスパニック系が大統領になるでしょう。
 今時点でも、大統領選挙において、
スペイン語で演説することは、必須と言えるでしょう。
書名 アメリカは立ち上がる
著者 日高 義樹  徳間書店















































































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